【CANON EOS用USB外部電源の製作】 タイムラプス撮影をする場合、野外で長時間の撮影をする事になる。 それが真冬の星景撮影、北天日周運動などになると一晩中カメラを運用する。 カメラに装填した1個のバッテリーまたは縦位置グリップ内の2個のバッテリーだと撮影の途中でカメラが止まってしまう。 高容量のモバイルバッテリーのUSB端子からカメラの電源が取れたらと誰もが一度は考えた事があると思 う。 製品化されている物が何種類かAmazonで購入できる。 先日安価な(約3,000円)中国製を購入してみたが、全く通電しなくて話にならなかった。 おまけに返金手続きもクレームメールの後に渋々対応するような始末。 国内のメーカー製は約15,000円と立派な値段だが、コンバーター内の充電池が消耗すると繋いだモバイルバッテリーがまだ残っているのにカメラには電気が供給されないと言うお粗末な仕様で、一晩中連続でカメラを運用出来そうにない。 それなら自作しか選択肢は無いのである。 カメラのダミーバッテリーは、CASE RELAY DCカプラー CRCE6をネットで注文した。 カメラの電池の格好をして短い電源コードが出ていて2.1mm標準DCジャックが付いているので使いやすい筈。 その他は秋葉原の秋月電子通商で購入した。 https://akizukidenshi.com/
周囲はメイド喫茶みたいな店が多く、学生時代とは隔世の感がある。
集めたパーツは左上から時計回りに、 CASE RELAY DC カプラー CRCE6 ¥4,400 プラスチックケース TW5-3-5B ¥150 最大24V出力 昇圧型スイッチング電源モジュール LMR62421使用キット AE-LMR62421 ¥700 USBケーブル USB2.0 Aオス-マイクロBオス 0.5mA-microB 2A L0.5m ¥120 2.1mm標準DCプラグ・2.1mm標準DCジャック延長ケーブル2m DG01032-0053-01 ¥200 合計¥5,570
取扱説明書は基板の見取り図や回路図が書かれていて誰でも失敗なく製作できる。
モバイルバッテリーのUSB出力は5V、DC-DCコンバーターでカメラバッテリーの電圧に昇圧する。 基板にハンダ付けする部品は5個だけ。
中学校の自由研究レベル。
基板の穴とケースの基板固定穴が合わないので両面テープで固定。
モバイルバッテリーは、Anker PowerCore 20100 (20100mAh 2ポート モバイルバッテリー) DC-DCコンバーターの50kΩ多回転ボリュームで出力電圧を8.2Vに調整する。 (キヤノン バッテリーパック LP-E6NHの満充電時の電圧は8.2V) 最大出力電流は約1000mA 取れ、8.2Wとなる。 LP-E6NHの容量が2130mAh、有効効率を90%とすると20100X0.9÷2130=8.49 カメラバッテリー約8個半の計算。
EOS-90Dのグリップ下にバッテリーケース、コードはゴム製の切り欠きを通す。
バッテリー情報を表示、100%を確認。
コード取り込み部分内側にセメダイン・スパーXブラックで防水処理。
完成したDC-DCコンバーター(中央)とカメラカプラー(右)、モバイルバッテリー(左) 冬場はレンズヒーターもこのモバイルバッテリーから給電する。 実際の運用は三脚にこれらを吊るして冬場はカイロ等で保温する。
【CANON EOS用USB外部電源の運用】 先日自作したCANON EOS用外部電源を運用してみた。 井田で水中撮影した後に、山中湖パノラマ台にてタイムラプス撮影をした。 生憎の新月で富士山も雲に隠れがちと言う天候であったが翌朝には快晴に恵まれた。 カメラはEOS-90D、レンズはSIGMA8-16mmのワイド端8mm 夕方18:30 から翌朝6:15分頃までの12時間弱、撮影スパンは30秒、撮影枚数は1400カットでカメラ内で4k30p 47秒の動画ファイルを生成してくれ る。 ファイルサイズ 1.74GBと大きいのでここには貼り付け出来ないが後日YouTubeにアップしたいと思 う。 モバイルバッテリーは約1/4を消費。カメラ電池だと約3個分の電力。 撮影途中も不具合等は一切無く快適に運用出来た。 冬場はレンズヒーターも同じ高容量モバイルバッテリーから余裕で給電可能。 三脚の安定用ウエイトバッグにダイビング用の2Kgの鉛ウエイトを入れ、その上にモバイルバッテリーと自作したDC-DCコンバーターを一緒に入れたバッグを紐で三脚ヘッドから吊るしてある。