クサフグが生まれた!

はじめに
1999年夏に偶然発見したクサフグの大産卵地、関東〜伊豆エリアではおそらく集まるクサフグの数は最大であると思われる。実際に撮影を始めたのは2007年からであるが、多い年はその数は数千匹は下らないと思う。

最近になってこの地が水中カメラマンに有名になってしまったが、良いときの写真を残しているカメラマンは極めて少ない筈で開拓者の自負としてここに改めて発表したい。

クサフグの産卵行動

6〜7月の大潮にクサフグたちは産卵の為に集結する。

朝から移動を続け、午後には数千匹を超える群れとなる。

水深は2〜3m、オス50匹に対しメス1匹の比率。

偵察隊が産卵場所を確認しに行き、満潮の2〜3時間前に波打ち際に移動する。

まずオスが上陸して待機する。

次の波で来たメスが産卵すると、すかさずオスが放精する。

受精卵は石の下に埋もれる。

引き波に乗って海に帰る。

精子で海中は白濁し、周囲は生臭い。

産卵行動は1時間程続き、全てのクサフグは海に帰り、静かに満潮を迎える。

卵を受精させ、持ち帰り飼育しました。

受精後1〜2日、卵の直径0.9mm、胚も発生。

受精後2〜3日、クサフグの体表の模様が出来る。

受精後3〜4日、眼球が出来、頭部と身体が区別できる。

受精後5〜7日、卵殻からハッチアウトする。

クサフグが陸で産卵するのは、捕食者から逃れる為だという。

潮の満ち干を計算して、一匹たりとも陸に残されることは無い。

森が有り真水がしみ出すこと、海岸線と海中の特徴的な地形も

産卵場所の適性を分ける。

2008年は地形の変化により産卵場所が100mも岩場寄りに移動した。

我々は人為的な環境変化を与えずに、あたたかく彼らを観察したい。

「クサフグが生まれた!」

第26回水中映像祭参加作品