魚魚目レンズ

はじめに

対角線魚眼レンズを使用し最短距離まで寄り切って撮影する「ワイドマクロ撮影」方法は、小さな生物を生息環境ごと表現出来る撮影方法で昆虫写真や水中写真の分野ではかなり普及したと言って過言ではない。
対角線魚眼レンズによる水中ワイドマクロ撮影では、防水用の水中ハウジングに使用する光学ガラスドームポートの直径を出来る限り小さくする必要が有る。この為に同レンズでサンゴ礁や魚群等の撮影時に使用する直径の大きなドームポートと使い分ける事も必至となる。
しかしながら現存する対角線魚眼レンズ用の最小径ドームポートの直径は90mmで、体長約5cmくらいの被写体よりも小さな物は構図的に写真として成立しない。

「虫の目レンズ」と言われる「魚露目8号」を小さなガラスドームポートで防水仕様にしたものが「魚魚目レンズ」として伊豆のタカジン氏が開発し水中写真愛好家に普及した。コンパクトデジタルカメラと相性が良く手軽に撮影する事が出来る。

一眼レフカメラ用には、リレー式虫の目レンズを更に小径の光学ガラスドームポートで完全防水した「TOTOME.GA」がタカジン氏により開発された。臆病な生物にはアプローチし易い形状のレンズである。APS-Cサイズの一眼レフカメラとすこぶる相性が良い。


Canon EOS7Dに専用マスターレンズを使用し、ハウジングはZillion社製にこのTOTOME.GAを組んだ物で撮影している。
尚、水中ストロボは一番コンパクトなINON社のS-2000を2灯使用している。

撮影方法

レンズが細長く不注意により先端のガラスドームポートを岩礁等にぶつけない為に、ファインダーを覗いて撮影するよりもファインダーより目を離し横から被写体とドーム先端との距離や角度を確認して撮影する。
ピント合わせはAFを使用するが、フォーカスゾーンを中央付近に選択してワンショットフォーカス、親指フォーカスボタンを使用する。
絞り優先モード(f22以上)に露出補正を−2〜−4くらい掛け、外部ストロボはマニュアル発光。
実際の撮影ではドーム先端〜被写体までは約4mm〜1Cmまでの距離がほとんど。

大きな被写体では身体の一部、例えば口の中にレンズを入れる勢いで寄ると迫力有る絵が撮影出来る。
小さな被写体で単に寄りすぎると、「鼻デカ写真」に成り下ってしまうので要注意!!

「魚の目で見た海中世界」

第28回水中映像祭参加作品