私はCANONの一眼レフをフィルム時代から30年くらい使い続けている。
最初のカメラはEOS-10QDだった。
途中PENTAXも使用していたが、ほとんどがEOSシリーズでデジタル一眼レフもEOSばかり。
当然のことながらEFマウントのレンズが防湿庫にずらりと並んでいる。
現在使用している水中ハウジングはEOS-7D用のものでZillion製。
このカメラにしたのは「TOTOME.GA」と言うタカジン氏製作の水中超深度レンズを装着する為であった。
APS-C機である必要から、また当時AFが最速で動画も撮れるのは7Dしか無かったのである。
なんともう10年以上使用している。途中何度も水没をしてしまってカメラボディを数台買い替えた。レンズも一度お釈迦にしてしまった。
そんな愛着がある7Dであるが動画性能はFHD30Pと古さを隠しきれない。
そろそろ4K動画を水中で撮影したくてカメラの選択に悩んでいた。
私の場合、静止画が主力で動画はたまに撮る程度なのでカメラの静止画の性能を落とす訳には行かない。
APS-Cかフルサイズの選択でフォーサーズ機は考えていない。
水中の動画の撮影を考えると、至近距離で小さな魚の動きと言うピントの問題でフルサイズ機は残念ながら不利になる。
そうなるとAPS-C機でCANONのEFマウントのレンズが使えるカメラを考えた。
ミラーレス機はMマウントしかなくM6Mk2となる。EFマウントはマウントコンバーターで使用できるが何となく心細い。
残すはEOS-90D の一択となったのである。
特に気に入ったのは、APS-Cなのに3250万画素も有る事。
またAFが速くて正確で特にライブビュー撮影(背面液晶を見ながらの撮影)が快適この上ない事。
動画もAFが全くストレス無く食い付いてくる事。
4K30Pであるが、FHD120Pも撮影出来るので私にはちょうど良い選択となったのである。

カメラは決まった。EOS-90D
しかし水中ハウジングは何処のメーカーでも出していないのが分かった。
近い将来に何処かのメーカーが出すのも極めて難しいのではと思った。
もう一度カメラ選びに逆戻りか?と、思った時にFaceBookである方の記事が目に止まった。
Zillionでもハウジング製作に携わっていたNさんが再度自身のハウジングブランドであるPROMO FACTORYを再始動する!
これはひょっとしてひょっとするのでは?と思い早速連絡を入れてみたのである。
Zillion製ハウジングのポートをそのまま使える様にハウジングを製作出来ないかと相談をしたところ、オーダーメイドで製作を引き受けてくれたのである!
これは願ってもない事で、今まで使用してきた7Dのハウジングに使っていたレンズポートとレンズギヤーが無駄にならないのである。
何よりも超深度レンズ TOTOME.GA が使用できるのが嬉しかった。しかも断然撮影し易くなる!
カメラボディとバッテリー、チャージャーをPROMO FACTORYに送った。工場で3D計測してサイズ・形状を数値化して設計出来る様にPCに読み込ませるのだ。
4月の初めに都内某所でNさんとハウジングの仕様の打ち合わせをした。2時間弱綿密にこちらの希望を組んで貰った。
1.Zillion製のポートフランジを使いギア位置も変わらず使用できる
2.エアロックバルブ(ハウジング内を負圧にして水没を防止する)
3.AF専用レバー
4.ピックアップファインダー
5.アングルファインダー
6.グリップの形状・大きさ・傾斜角度
7.ボールベースは3箇所
8.外部シンクロケーブルコネクターの形状
9.動画切り替えレバーの形状
10.塗装色の指定
11.ラニヤードの形状
これ以外にも細かな点を相談したと思う。
この日に、一度カメラボディ・バッテリー・チャージャーを戻して貰った。GWに沖縄やんばるで陸撮に使用する予定があったからである。(後日、再びやんばるの撮影に行く前に陸撮用にもう一台90Dを購入)
余りにも指定事項が多く間違いがない様に、特にスイッチボタンやレバー関係の必要・不必要箇所を、CANONの取説PDFの図面を利用して後日メールにて確認して頂いたのを下記に載せる。
カスタムファンクション機能でボタンの機能を他のボタンに割り当る事でハウジングのボタンの数を減らせるのである。
約3週間後にハウジングの設計ができましたとの連絡があった。
3D表示された図面が送られて来た。
色彩は各パーツ部が分かり易い様に塗り分けられているので完成塗色は全く違う。
形になると実感が湧いて来た。
見るからに使い勝手が良さそうだ。
GW明けにカメラボディその他一式を送ってからの再スタートとなる様だ。
沖縄やんばる撮影から帰って来てすぐにカメラ、レンズ、ポート、ギア、バッテリー、充電器一式をPROMO FACTORY に送った。
それから約一週間後にハウジング製作途中の画像がメールで届いた。
こう言うのはオーダーメイドならではの事だろう。
私は水中ハウジングを11台所有して、そのうちの6台はDIV(アクリル製ハウジングメーカー)でオーダーメイドで製作していただいた。
製作途中に工房に行き細かい指示を出した事も何度も有った。既製品には無いオンリーワンの宝物なのである。
完成が待ち遠しい!
EOS-90D 水中ハウジングが完成した。
途中GWの撮影でカメラを一旦戻してまた預けたので2ヶ月掛かってしまったが、おそらく最短では1月半程度で完成したであろう。
オーダーメイドハウジングは過去の経験から最低2ヶ月は掛かるものだと認識していたので、今回は早いと感じた。
早速いつもの井田の海で進水式と相成った。
最大の特徴は、ハウジングの背面モニターにアングルビューファインダーを脱着できる事。
真上から正立正像でモニターが見える。
撮影するシチュエーションではこれが武器になる。(静止画でも動画でも撮影可能)
4K動画(30P)撮影からの切り出し画像。
35mmマクロSTMレンズはAF作動音は無いに等しく、被写体の動きに追従し合焦し続ける。
APS-Cなので1.6倍換算で56mm、これは水中で使用するには守備範囲が広く好都合。
尚、レンズポートはZillion製ポートが全て使用出来る。
オーダーメイドしたハウジングはここでお願いした。
PROMO FACTORY
http://promof.jp/
レンズ&ポートをTOTOME.GAに交換
浮力調整完了後の現在のセッティング