沖縄には「琉球料理」と「沖縄料理」が有り、それぞれが混在し発展して今日の沖縄の食文化が発展した。
「琉球料理」は、「宮廷料理」と「庶民料理」の二つの料理がある。
琉球王朝時代は中国との交易が盛んで食文化も多大な影響を受けた。中国の冊封使(さっぽうし)や薩摩の在番奉行等を饗応するための宮廷料理。代表料理は東道盆という宴席料理の盛り合わせがある。泡盛は江戸幕府への献上品。金楚糕(チンスコウ)や光餅(クンペン)など中国の影響が色濃く残る菓子は、琉球王朝以来の伝統を受け継ぐ菓子職人によって作られた。豚肉を食する文化ができたのもこの頃で「ラフティー」が中国の「トンポーロー」に酷似しているのも頷ける。
庶民料理は、島野菜や豆腐、スヌイ(もずく)、アーサ(ひとえぐさ)、海ぶどう、グルクン・イラブチャー・ミーバイなどの島魚を庶民が日常の食材として愛好し健康食とされている。「医食同源(いしょくどうげん)」の考え方で、「クスイムン(薬になるもの)」や「ヌチグスイ(命の薬)」と言われている。
「沖縄料理」は、戦後はアメリカの食文化が濃く取り入れられて、ステーキやハンバーガー、タコライスやポーク玉子が流行り今の沖縄の典型的な食文化に繋がる。
沖縄の市場やスーパーマーケット、共同店(協同店)、さしみ屋 (鮮魚店)を覗くと食文化を想像しやすい。
泡盛の酒造所や菓子店も興味深い。また、老舗の歴史を調べるとより親しみを感じ易くなるものだ。