初夏の九州撮影行(8)「ムツゴロウの仲間と天敵」
ムツゴロウが生息する泥干潟では、様々な生物が観察できる。
最もよく見られるのはトビハゼだ。ムツゴロウに比べてかなり小さく、目が特徴的である。
トビハゼ雄の求愛ジャンプ。婚姻色に染まっている。
泥干潟では多くのカニ類が生息している。
有明海の干潟ならではのシオマネキ。
やや渇いたエリアにはシオマネキが大群で生息していた。
シオマネキの雌。鋏脚は小さい。
シオマネキの雄。片方の鋏脚が巨大化している。ウエービングという求愛行動で、雌にアピールしている。
シオマネキの雄の大きな鋏脚は左右どちらも存在する。その比率は同程度らしい。
シオマネキの雄は頻繁に縄張り争いをする。狭いエリアに密集しているところは特に多く観察できる。
関節がきしむ音が聞こえてきそうなほど見ている側も力が入ってしまう。
ヤマトオサガニもムツゴロウと同じ干潟の常連だ。
ヤマトオサガニはより湿潤な環境を好む。
太陽を背に受けて甲羅干しをするヤマトオサガニの雄。
干潟の陸側岩礁域にもカニの姿が確認できる。
クシテガニ(オオユビアカベンケイガニ)、なんとも鮮やかで美しい個体であった。
フタバカクガニ。カクベンケイガニに似るが、甲羅の切れ込みの数と頬部が特徴的。
野鳥も観察できるのは嬉しい。
漁港の照明等の上に止まったカササギ。佐賀ではカチガラスと言われる。佐賀県の県鳥・天然記念物。
日本では有明海周辺にのみ生息する。
干潟の遠くでダイサギが何かを捕食している。
ダイサギが捕食しているのはムツゴロウ。
何とワラスボを捉えた!
器用に咥えなおして丸呑みにする。
干潟に一日中いても退屈しない。様々な生物のドラマがある。
次回は人間との関わり合いをご覧いただく。