沖縄本島・野鳥と干潟撮影(4)ノグチゲラ・国頭村
ノグチゲラ(野口啄木鳥)は沖縄島北部(やんばる)にのみ生息する固有種。特別天然記念物、RDB絶滅危惧IA類 (CR)、沖縄県県の鳥。
世界的にも希少なキツツキ。推定個体数は500羽と言われている。
沖縄ネイチャーオフィス(O.N.O)の嵩原さんは鳥類研究者・鳥類写真家で野鳥の生態を通して探鳥のしかたや撮影の注意点を教えてくださった。
今の時期はオオバギの実をつけている木を探してノグチゲラの囀りに耳を立てれば確実に探鳥できるらしい。
オオバギの木のある場所を完全に把握していて次々とチェックし、囀りを聞き当てて居場所を教えてくださった。
しかし、やんばるの森は照葉樹林が生い茂っていて枝葉の影で野鳥が見えづらい事もあり、指差したところにレンズを向けても時すでに遅しでノグチゲラの姿は見えなくなっていた。
採餌中の動きはかなり俊敏でオオバギの葉陰を次から次へと移動するのでカメラのファインダーに納めるのも大変だ。ノグチゲラの頭の動きと葉被りでオートフォーカスが鳥の目を認識出来ないで迷ってしまう。
ガイドしていただいた日は一枚もまともに撮れなかった。惨敗である。またホントウアカヒゲも探していただいて見ることは出来たが枝葉被りの写真しか撮影できなかった。ホントウアカヒゲの囀りは何度も聞こえるのだが姿を見せてくれたのは数回だけで数年前にガードレールの上に突如現れたのは奇跡に思えてきた程であった。
翌日、その翌日とレンタカーで我々夫婦で探鳥し何とかノグチゲラの撮影に成功した。難易度が高いシューティングゲームを戦場で実践している様であった。
少なからずともやんばるの林道を走った経験があり、ノグチゲラがよく来ていたオオバギの木の場所を覚えていたので2日間復習できたのが幸いしたのである。
オオバギの実を採餌するノグチゲラ雄。尾羽にAFが持っていかれ証拠写真程度、枝葉被りが無いだけマシか?
以降、木の中にいる時はAFは使えないと判断し、三脚を使用しMFに切り替えて撮影することにした。
いきなり離れた木に飛んでいってしまったが顔を出してくれた一瞬。雄の赤い頭がよく見えた。
キツツキの仲間であることを認識する一瞬。わずか数秒でどこかへ飛んで行った。
今回のベストショット。簡単そうに見えるが、この手前にある木の枝葉の隙間から覗ける場所を探して撮影している。
見つけてからベストなポイントまで三脚ごと移動して超望遠レンズの画角に入れてシャッターを切るまでわずか10秒以内でも逃げられることがほとんどである。
予想以上に難しいノグチゲラの撮影であった。しかしガイドさんの教えがなかったらノグチゲラを見ることもできなかったと思う。
山間部から降りて58号線に戻ってきたと思ったら、奥間の田畑を周回してその他の野鳥の探鳥ポイントを教えて頂いたりと実にサービスが行き届いて感心してしまったのである。
朝5時に国頭村の道の駅 ゆいゆい国頭に集合し、解散したのは11時半を過ぎていたと思う。長時間に渡ってのガイディングはこれでもかと我々の野鳥撮影に磨きをかけてくれた。
また、今回のツアーでご一緒したゲストのMさん、野鳥撮影の初心者の我々に色々と他の撮影地の情報を教えてくださり心より感謝いたします。